仕事を代わりに行ってもらう場合に大きく3パターンの契約が存在します。この契約のそれぞれの特徴についてまとめました。
派遣契約:労働者派遣事業
これはよくある派遣社員です。基本的に社員の代わりに労働力を提供する労働形態です。正社員を入社させると、簡単に辞めさせることができない為、期間を決めて仕事を行ってもらうという使い方が一般的です。
関係
- 派遣元←労働者派遣契約→派遣先
- 派遣元←雇用関係→派遣労働者
- 派遣労働者←指揮命令関係→派遣先
特徴
- 完成責任はない
- 瑕疵担保責任はない
- 期間の定めがある
- 指揮命令権は派遣先(注文主)が持つ
- 労働派遣法の制約を受ける
- 客先常駐型が一般的
- 報酬は一定期間ごとに支払
- 規制が厳しい
ポイント
- 雇用契約である
許可や届け出
- 一般労働者派遣事業者
- 自社の社員以外を派遣可能
- 特定労働者派遣事業者
- 自社の社員のみを派遣可能
- 二重派遣に注意が必要:注文主側も共犯の責任が発生する可能性がある。
労働派遣法の制限
- 派遣期間が最長3年となり、直接雇用を検討する必要がある。
- 産休を取った人の代替要員や期限のあるプロジェクト参加者など制限のない特例も存在する
請負契約
関係
- 請負業者←請負契約→注文主
- 請負業者←雇用関係→労働者
特徴
- 完成責任がある
- 瑕疵担保責任がある
- 指揮命令権は請負業者(受注主)が持つ
- 完成物の明確な定義(要件定義など)が必要
- 客先常駐型しないケースも多い
- 責任が重い
- 報酬は検収後一括払い
ポイント
- 業務委託契約である(完成物がある業務を代行する)
委任契約(準委任契約)
関係
- 請負業者←請負契約→注文主
- 請負業者←雇用関係→労働者
特徴
- 完成責任はない
- 瑕疵担保責任はない
- 善良なる管理者の注意義務がある
- 故意または過失による責任はある
- 明らかに品質が低い場合は責任を取る必要がある
- 期間の定めがある
- 指揮命令権は請負業者(受注主)が持つ
- 業務の遂行については一般的に注文主への「報告書」をもって行う
- 客先常駐型しないケースも多い
- 法律に関する仕事の場合は委任契約、それ以外は準委任契約
- 報酬は一定期間ごとに支払
ポイント
- 業務委託契約である(完成物がない業務を代行する)
まとめ
契約を結ぶ前に何を委託するかを明確にする必要があります。
目的、要件
- 特定の業務を任せる+完成物がある:請負契約
- 特定の業務を任せる+完成物は無く報告のみ:準委任契約
- 不特定の業務を任せる+完成物はない:派遣契約
指揮命令権
- 必要:派遣契約
- 不要:請負契約又は準委任契約
支払のタイミング
- 検収後一括:請負契約
- 定期的に支払:準委任契約又は派遣契約